六鹿宿の新着ブログ記事
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日本という国のお財布の中身は逼迫していると誰もが言う。 年間90兆円という国の財源の内、税収が50兆円強なので借金で賄っているのが30兆円強。毎年そんなことを繰り返して今では、1000兆円を超える借金があるそうな… だから福祉に回すお金なんてありません。と財布を管理する側は言い、税金も保険料も支払... 続きをみる
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老いるということは、どういうことか。 昔、お釈迦様は生老病死を四苦とし、生まれて老い、病んで、死ぬ。それらを苦しいことだと仰った。 人間は、病を得ることも、死ぬことも恐れる。できるだけ避けたがる。 生きることも、苦悩を伴うものだろう。 では、老いることは? 子供の頃、早く大人になりたいと常々思って... 続きをみる
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今日は早番。朝7時からの出勤。 朝食の提供、朝の排せつ介助から1日が始まる。 10名ワンユニットのフロアなので、まぁ従来型施設ほどにはバタバタしない。 一定その時間が過ぎれば、ティータイム。 音楽を聴きながらだったり、ゆっくり話しをしたりしながら。 時間があれば外気浴だったり、生け花だったり、仏壇... 続きをみる
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介護に携わる人々。 それらの人々が従事する仕事を、あたかも聖職であるかのように世間の人々は錯覚している。 自分を犠牲にして、お年寄りに奉仕する姿こそが正しいと信じられているのだろう。 でもそれは違う、少なくとも僕は違う。僕は介護職である前に介護労働者だ。 プロとしての仕事はするが、自分のプライベー... 続きをみる
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介護保険て、いったい何? 介護保険に関して、多くの日本人は良くは分かっていない。 一般の人々の立場から見れば「お爺ちゃん、お婆ちゃんの介護を保険で賄うんでしょ?家には関係ないわ。」って感じだろう。 そして、例えば自分の父親や母親がいざ介護が必要になった時に突然に大慌てしなければならなくなる。 「え... 続きをみる
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何のために自分は生まれてきたのだろう? 生きていれば楽しいことは沢山ある。 でも、楽しいのと同じくらいに苦しいこともある。 半々なら、よけいに考え込んでしまう。 生きている意味があるのだろうかと。 世の中の仕組みは、知能と文字を有する人間が決めていると、人間だけが錯覚している。 けれど、宇宙の歴史... 続きをみる
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おそらく2010年ごろまでは、さほどその現実を重くは受け止めていなかった様に思う。 特に2000年の介護保険スタートからの10年は、多くの人材が介護業界に流入した。 厚労省の統計でも、2000年当時、約55万人程度であった介護労働者が2010年には133万人と倍以上の伸びを示している。 確かに、僕... 続きをみる
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お年寄りが増えた社会。それは多死社会でもある。 これまで、日本人は病院で死を迎えることが主流だった。 だけど、多すぎる死を全て受け入れるほど病院のキャパシティーも豊富では無い。 つまり、病院以外で死を迎える人々が増えることは必然であるとも言える。 行政側からしても、そのような政策誘導を行っている。... 続きをみる
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この国の目指すところは、どこなのだろう? 資本主義経済の行きつく先は、一握りの強者と大多数の弱者を二分する社会。 つまるところ、社会的弱者に対しては限りなく冷たい社会。 ということは…。 高福祉などは、だれも望まない。そういうことなのだろう。 老後も安心したければ、金を稼ぐしかない。そういうことな... 続きをみる
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「伊田 六鹿」というペンネームを使って僕は文章を書いている。 この名前は2人のお婆さんがくれた名前だ。 「伊田」をくれたのはロングヘアーで細身の、笑うと下の歯一本が見える可愛いAさん。 「伊田さん、あなた綺麗な顔してるわね~」といつも言って下さるAさん。 僕の本名には「伊」も「田」も全くもって付か... 続きをみる
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僕が若かったころ。 確か、主演はジャニーズ事務所所属のアイドルだったと思う。「芸能人は歯が命」ってCMが巷に流れていたころ、彼の笑顔の隅で光る白い歯が異様に眩しかったのを覚えている。 「ナースマン」というドラマが放映されていた。どこの局だったかは覚えていない。 男性の看護師が奮闘するコメディータッ... 続きをみる
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僕は現在、小規模特養で働いている。 10床ワンユニットで2つのユニットがあり定員が20名。 従来型の大規模特養のサテライト施設として2008年に立ち上げた。 介護業界に入って、まずはショートステイで新人時代を過ごし、そして従来型の大規模特養へ異動。そして小規模特養開設に伴いオープニングスタッフに選... 続きをみる
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僕の、介護の歴史ばかりを綴っていても仕方が無いので今回は少し趣向を変えて「僕の介護の主張」を述べてみたいと思う。 この業界に入って、同僚やご家族、それから行政を見て。常に思うこと。 「固い」「真面目」「肩に力入り過ぎ~!」ほんでもって「深呼吸すれば?」 介護にまつわる不幸な出来事。介護殺人 虐待 ... 続きをみる
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大学を出て約3年が経過。 営業や販売の仕事を転々としていた僕は何をなすべきなのか分からずに日々悶々としていた。 たまたま、当時お付き合いしていた女性が京都市にある老人保健施設で仕事をされており、何かの行事…おそらく敬老祝賀会のような会だったと思う。その会で「楽器を演奏してくれないか?」と僕にオファ... 続きをみる
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介護業界でよく言われるようになった「2025年問題」 2025年に団塊の世代、約800万人と言われる人々が後期高齢者(75歳以上)へと移行する。 要介護認定を受ける人の割合は後期高齢者が約8割。つまり65歳から75歳までは比較的に元気なお年寄りが多いが75歳を超えた段階で体の一部に障害が現れたり認... 続きをみる
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僕は関西にある二流、いや、三流の私立大学を卒業した。 一応、法学部だったがそっち系の仕事には全く興味がわかず、旅行好きだったこともあって大阪の中堅旅行会社に就職。営業でバリバリと働いた。 営業と言っても、自分のお客様に対する添乗も主要な業務の一つで、ほとんどは国内だったけれど結構色々な場所に行けて... 続きをみる
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1990年代後半、僕は未だ学生の身。うだるような暑い夏のある日。 その日、友人にお婆ちゃんのお見舞いに誘われて隣町の病院を訪れた。 6人部屋のカーテンで仕切られた空間の一角に、彼女のお婆ちゃんは横たわっていた。 見た目にも分かるぐらいのフケや垢。匂いも普通じゃない。お婆ちゃんは死んだ魚のような目を... 続きをみる