六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

笑うから楽しい。

「人は楽しいから笑うのでは無い。笑うから楽しいのだ。」
どこかで、そんな言葉を聞いた。
10年ほど前だった、まだ20代であった僕の心にその言葉は強く響いた。


この言葉の指す意味は笑顔でいれば、自分も周囲も楽しくなって人生が好転するということだろう。
「笑う門には福が来る」の同議。


僕はどちらかというと人から不愛想だと言われていた。
簡単に白い歯を見せる奴は信用できないし、ヘラヘラして生きて行くなんて僕にはできっこない。
だからこそ、この言葉を重く受け止めた。


けれど、それは思ったよりも難しく40歳を目前に控えた今でもなかなか上手くは笑えない。
まだまだ修行が足りないなぁと思う日々である。


この仕事に就いてから、沢山笑いもしたけれど、悲しみや怒りの表情を見せることだって少なくは無かった。
お年寄が亡くなれば涙が出る。
後輩を指導していて、同じことを何度も言わせる者に対しては怒りも感じた。
上司に対して、理不尽だと牙をむいたこともある。
やめていく同僚を悲しみと怒りの入り混じったような感情で見送ったことも。


どんな時にも笑顔でいれたなら良いのになと思う。
自分が変わらなきゃいけないのは良く分かっている。


間もなく僕も「不惑」
迷い多き僕が、その様な年になるのだ。


明日から一つでも多く笑顔を見せられるようにしよう。
そうして、福祉の現場に圧し掛かっている黒い雲のような重苦しい空気を。
それを振り払う力を持てるように努力を続けたいと思う。

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