六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

2015年8月のブログ記事

  • 親と子の絆。

    親は子を慈しみ、子は親を慕う。 そんな当たり前の関係が破たんする瞬間は意外に簡単にやってくるようだ。 在宅介護の現場では、そういった破たんした親子関係を良く目にする。 親は独居、近くに娘や息子が住んではいる。 年老いた親が認知症を患い、徐々にそれが進行していく。 最初のうちは息子達も心配して老親宅... 続きをみる

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  • 孤立と孤独。

    職場や学校において、集団や社会において、一人ぽつねんと孤立する人々を見かけることがある。 ただ、その人が孤独を感じているかどうかは、その人の心の持ち様による。 つまり「孤立」とは、周囲の人間が客観的に見て感じるものであり「孤独」とは、その人が感じる主観的なものだ。 僕も、もう20年以上前になるが中... 続きをみる

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  • 人が変われば雰囲気も変わる。

    僕の務める小規模ユニット型特養は2008年の2月に開設された。 このユニットで働き続けて7年半。職員も、お年寄りも大きく入れ替わった。 開設当初からの職員と言えば僕だけ。お年寄りも2名を除いた他は全て退所されている。 昨年度は6名ものお年寄りの入退所があり、ユニットの雰囲気はガラリと変わった。 そ... 続きをみる

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  • 京都漫画ミュージアム。

    お盆は働き詰めだったので、今日は休日だった。 朝からあいにくの雨。こんな日は屋内でゆっくりと過ごすことの出来る博物館が良い。 数年ぶりに京都、烏丸御池にある漫画ミュージアムへと出かけた。 平日ではあるが、やはり夏休みはまだ続いているようで家族連れの姿があちこちに。以外にも海外からの旅行者の数も多い... 続きをみる

  • ターミナルケアへの思い。

    先月末に多量の嘔吐、その後の血圧の上昇と発熱。また、体中が黄色く染まる症状が現れる。 そして今月、深夜に再嘔吐。精査はしていないが胆管炎の疑い。 現在は意識も朦朧としておられ、いつ何があってもおかしくは無い状態のお年寄りがおられる。 普通であれば、入院して積極的な治療をするという選択をするべきだが... 続きをみる

  • 新人さんいらっしゃい。その一方で…。

    今日、新しい介護職員が入職した。 既存の介護職が異動になるのを受けて、この年度途中の中途半端な時期に新入職員を受けることになった。まぁでも…。 情熱をもってこの業界に飛び込んできてくれる若い職員。 見ていて嬉しいものだ。 今日は新人オリエンテーションということで、ゆっくりとお年寄りのそれぞれの特徴... 続きをみる

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  • 「適当介護」とは似て非なるもの。

    「適当」という言葉を僕は、「そこに適した」「身の丈に合った」という意味で使っている。 なので「適当介護」の本質は、無理をしない自然な介護を目指すことにある。 しかし2000年の介護保険施行以降、膨張を続けたこの業界の「介護の質」は落ちる一方であり、この「適当介護」を誤解して解釈したような「手抜きの... 続きをみる

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  • 「適当介護」再び。

    よく介護の世界で「QOLの向上」という言葉を耳にする。 QOLとは「クオリティー オブ ライフ」のことで日本語では「生活の質」と訳される。 つまりお年寄りの生活の質を向上させることが介護の至上命題なわけだ。 しっかりしたケアプランには、その為のニーズや設定目標、その方法が明記されている。 残念なが... 続きをみる

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  • 1945年 夏

    毎年夏、8月のこの時期になると日本人はあの忌まわしい戦争のことを思い出す。 8月6日の広島、8月9日の長崎。そして敗戦へ。 70年も前の出来事なので、もはや歴史の中の出来事のような感はある。 しかし僕が生まれたころから数えると、たかだか30年前の出来事。 自分の祖父母が実際に生きてきた時代の出来事... 続きをみる

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  • ナースコール連打。

    ナースコール。 お年寄りが用事のある時や何かあった時に居室から職員を呼ぶスイッチのこと。 介護業界の施設においても病院同様にナースコールと呼ぶ。正式にはケアワーカーコールだと思うのだが…まぁそれはさておき。 職員が忙しく働いているときに、これを何度も何度も繰り返して鳴らすお年寄りがおられる。 もっ... 続きをみる

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