そこにある、どこにも無い何か。
夢の話をするのは阿呆のすることだ。 そう言い聞かされて僕は、育った。 意味の無いことを語ることは、人間として恥ずかしいことだと教わって今までを生きてきた。 僕はだから、途方もなく無口だ。海中深くに沈む意思を持たない貝殻のように。 そこにあるけれど、どこにも無い何かを求めて、際限なく無口であることが... 続きをみる