六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

介護の世界の出世。

サラリーマンで言うと、ヒラから入って課長とか部長とか、果ては社長とか会長とかって、まぁその会社の規模によって色々な役職がある。出世すると責任も大きくなるけれど、それに伴って給料も上がっていく。出世するとなんだか誇らしいし、嬉しい。


で、介護の世界の出世はどうか?
まず、それぞれの専門とする職種のヒラから始まる。介護職、看護職、ケアマネ、栄養士、理学療法士や作業療法士。まぁ、その辺の話をしていくと複雑になるので、介護の世界の中核となる介護職の出世のお話に限定して述べる。


とりあえずヒラの介護職が何年か経験を積み、その現場のユニットリーダーやフロアリーダーに出世する。これは、その現場の業務改善や職員の教育、またご家族との情報交換、ケアプランに基づくケアの提供について中心になって指示を出し、ヒラの職員たちを引っ張て行くポジション。
責任は重くなるけれど、たいして給料は上がらない。


その次に副主任や主任というクラスがある。ちなみに僕はこのクラス。14年も働いているのに不甲斐ないしウダツの上がらない話だと思うのだが、まぁ、これも実力。
これは、先のユニットリーダーやフロアリーダーを統括し、複数の現場が集まった施設全体の運営を担うポジション。小規模の施設だとユニットやフロアのリーダーも兼務している。
ますます責任は重くなる。その代り役責手当なるものが月々もらえる。これは助かる。
けれどもしかし、この辺からある逆転現象が起こる場合がある。
実は、介護職の基本給というのは年数を経ても微妙にしか上がっていかない。
そこで大きな助けとなるのが各種の手当、であるわけだが、特に「夜勤手当」ってのがかなり大きい。
うちの法人の例で言うと1労働夜勤だと1回4000円、2労働夜勤だと6000円。
例えば月に1労働夜勤を5回やると20000円、手取りにプラスされるわけ。これはでかい。
(あ、デイサービスの人なんかは夜勤手当無いから、相当しんどいやろなぁと思う。そういう人は併設の特養の宿直をしたりする。)


ところが、主任クラスになると事業所によっては夜勤がほとんどとれなくなる所もある。だいたい施設の諸々の仕事は昼間にやることが多いからだ。夜中に家族や関係機関と連絡が取れるはずもないのだから当然だろう。こうなるとたとえ役責手当をもらったところで、夜勤手当が減る分、給料がドスンと減ってしまうこともあり得てしまう訳だ。
責任が重くなってるのに、給料が減るという逆転現象が、往々にして起こる。
幸い、僕の施設では、そういうことが起こることは無い。小さい施設なので、役責だろうが夜勤に入らないと現場が回っていかないからだ。あ~良かった。


でも、この先のことを考えると、のんびりしても居られない。もしもデイサービスに異動なんてことになったら…宿直をやりまくるしかないなと思っている。う~ん単独デイへの異動なら転職も考えないとな…。まぁそういうことは、とりあえず横に置いといて…。


さて、この上のクラスになると、いわゆる管理職になってくる。
大きい施設なら複数の役責を統括する部長というポジションがあったりする。部長の配置が無ければ、施設長がそういうポジションをとることになる。
このポジションの人が、どの程度の給料をもらっているのかは良く分からない。
でも多分、仕事量の割にはたいしたことは無いのではなかろうか?
施設長の仕事は、まぁ概ね施設の運営ということになるのだが、まぁ何とも渉外的な仕事の量が半端無く多いようだ。全く現場を見ることもなくデスクワークをこなしていたかと思ったら、どこかに出かけて行く。まぁ残業だけはしまくっているみたいなので忙しいのだろうけど、仕事の実態は良く分からない。
そいでもって、時々、日々任せっぱなしの現場にやってきて思い付きのように指摘をしたりする。
なかなか、繊細な仕事だ。楽しくは無いだろうなと思う。
まぁ、いざ何かあった時には責任しっかり被るポジションなので、心臓が強くないとできないとも思う。本当にいつもご苦労様です。


この上は理事って話になるが。これまた施設長兼務が多くって…。
ほんと、なにしてんだか、分からない。
法人の変革が必要だと、一度説いたことがあるが、みんな首が回らんようで、それどころではない様子。


う~ん。介護の世界の出世って、恐ろしい。
でもまぁ、恐ろしがってたら何も出来ないのも事実。僕も頑張って出世しようかな?
まぁ、実力の範囲で、一歩ずつ頑張ります。

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