六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

上半期総括の会議終了

僕の所属する事業所では、半期ごとの総括の会議を設けている。


で、2016年度もUターンってことで上半期の総括を行った。


年度の真ん中で行う総括の会議は、上半期の振り返りを行うと伴に、だいたいにおいて下半期の活力と成るべきテーマを設定する。つまり、勢いを得て今年度を駆け抜ける為のテーマを提示し、それについて討論する機会を設けるわけである。


今年度は「仕事のやりがい」をテーマに挙げた。
至極分かりやすく、活力になりそうなテーマだ。


しかしこれには裏テーマがある。


それは「ストレスケア」だ。


今年度に入ってから顕著になったことが、職員が抱えるストレスの増大であった。
この仕事をしていれば、ストレスは溜まる。
それは、これまで綴った文章を読んで頂ければ容易に理解できることだと思う。


兎に角、今年度、その職員の抱えるストレスの量は膨大で、例年に無いものだった。


それを感じていた僕は、それを吐き出し未来に希望を持ってもらう為に、この会議を企画し遂行した。


先ず、事前にアンケートを実施。
設問は5つに絞り、1週間程度の回答期間を設けた。


設問は以下の通り。
「この上半期、大変でしたね。具体的にどんな時が辛かったり、しんどかったですか?」
「あなたのストレス解消の方法、解消の為の思考の方法を教えてください。」
「あなたはなぜ、この仕事に就いたのですか?初心に帰って、思い出してみて下さい。」
「この仕事をしていて、印象に、心に残っている言葉や場面、風景を教えて下さい。」
「ズバリ、この仕事の「やりがい」や「魅力」は何だと思いますか?」


様々な答えがあった。が、詳細はここでは触れない。


このアンケートの肝は1番目と5番目の設問だ。


具体的にしんどかったこと。
「体制的、人的な不足」
「お年寄の暴言や暴力」
「職場の人間関係」
「身体的な過労」


「やりがい」は?
「人の最期の時に際して、その心を想像し、ケアを創造すること」
「仲間と共に、課題に向き合い、支え合って前進できること」


2~4の設問は、サブ的なもので、自身の仕事を振り返る為のものとして設定した。


このアンケートを経て掘り下げるべく討論。そして結論に導くべく、努力を重ねた。


この仕事がストレスフルであることは確かで、だけど、それも心の持ち様で軽減出来たり解消できたりする。ストレスの耐性や解消法はひとそれぞれであるが、先ずは、溜め込まずに吐き出して行こう。その為に僕らは集まっている。だからチーム内の関係性をより深め、互いに支え合うことのできる存在になろう。


そして、ストレスに向き合うばかりでは、いずれ心が壊れてしまう。
だからこの仕事の「やりがい」に目を向けよう。
そう、お年寄りの最期の時を創造する仕事なんだよ、この仕事は。
そしてその創造の為に、力を合わせる仲間が居ること。共感できる仲間が居ること。
それが、この仕事の「やりがい」の根本なんだ。


今一つ言えば、それを具体的に感じる為には職員個々が「お蔭さま」の心を持つべきでは無いだろうか。


今、働けているのも、今、幸せを感じるのも、今、笑顔でいられるのも、あなたの人生が輝いているのも、誰かがあなたを支えていてくれるからなんだ。誰かがあなたの側に寄り添っていてくれるからなんだ。


そのことに気付けば視界は大きく転換する。


お陰様の心を持って、この仕事を共に創造していこう。


僕はそう結んだ。


どこまで、心に響くのか?それは分からない。
けれど僕は、僕の仲間たちに本当に心から感謝をしている。そのことだけでも伝わるのならば、今回の会議は成功だったのだと思う。








×

非ログインユーザーとして返信する