六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

スケートリンク

今日は家族でスケートに行ってきた。
20年ぶりの氷の上。最初はなかなか感覚が取り戻せなくて、転ばないことを優先にした消極的滑走。壁に沿って時々、縁に手を付きながら氷の感触、滑る感覚を掴んでいく。


徐々にスケートリンクの中央へと移動。そうだ、スケートってこんな感じだった。
シューズに馴染めず足に痛みはあるのだけれど、風を切って滑るこの感覚が気持ち良くて。あぁ、これこれ…やっぱりスケートって楽しい!
と、調子が上がって行くと同時に、リンクには多くの人々が流入し始める。午前も10時半を過ぎるとまともなスピードでは滑走できない程の人混みに氷上は飲みこまれていく。
そうして、滑り始めた頃には鏡の様に美しかった氷面にも人々の履く鋭い刃に削られた数え切れないほどの傷が。
9時から滑走を始めて、2時間。
11時にもなると、もはや、人ごみにもまれながら、でこぼこの氷面に足を取られないように注意しながら進むことしか出来なくなる。


スケートリンクと人混み。


介護保険とお年寄り。


ニーズはあるのに、キャパシティーが足りていないという共通項。
沢山の需要が表面的にも潜在的にも存在しては居るけれど、それを受け入れるだけの規模を持たない。まるで、小さな水槽の中に世界中の魚たちを押し込めるみたいに。


世界中の魚たちが泳げるだけの水槽を作る為には沢山のお金が必要だけれど。そんな水槽は誰も望んではいないし、望んだとしても実現が不可能だと、諦めてしまっている。


そんなことを考えながら満員のスケートリンクから逃げ出すようにして僕は去り、足を存分に痛めつけてくれたスケートシューズを荒々しく脱いだ。


だけど、ここにまた僕は戻ってきたい。自由に泳げる水槽や、思うように滑走できるスケートリンクには本当に沢山の喜びが詰まっているのだから。









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