六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

枯れて死にゆく。

人の死を沢山見てきた。
有難いことに日本は平和なので、別段、戦の果ての血みどろの死を見た訳では無いのだが、それでもこういう職場に居ると、色んな死を見る機会はあるわけで。


医学の進歩が行き過ぎた果てに、呆け老人の数は無制限に増えた。


笑うことすらも出来ない彼らに、どう引導を渡すべきなのか、誰も答えを見つけられないでいる。そう、そこに寄り添うべき家族ですら、それに答えることは出来ないでいる。


医学の進歩の話で言うと、それが無ければ、おそらく僕は30年前に死んでいた訳で。現代医学が発達してくれていたからこそ、僕は今を生きている。僕は幼いころ、心臓病で死線を彷徨った経験を持った。だから行き過ぎた医学について何を言える立場でも無い。


しかし敢えて言う。死を自分の事だと捉えることの出来ない人間が多すぎる。


明日、君は生きているのだろうか?


君の大切な人は、無事に明日を迎えることが出来るのだろうか?


ある日、突然に死はあなたやあなたの大切な人の下に訪れる。


けれど人々は何も考えず、普通に昼飯に何を食べようかと考える。
或いは、今日の仕事の失敗について無意味に際限なくクヨクヨする。更には、快楽の深みに盲目的に溺れることに、その身を委ねる。クジラの背に乗って、その潮煙の美しさに目を奪われている隙に海中深く沈み込むことなど誰も想像できないでいるのだ。


最近、脳出血でお爺さんが一人、亡くなった。


何事も無い平穏な日常を過ごした果てに、脳の中の血管が1本、夜中に切れたのだ。
人間の体など、丈夫なようで意外と脆い。その血管さえ、繋がっていてくれていたなら、お爺さんはいつもと変わらない翌朝を迎えられたはずなのに。


そういうことだ、死とは。


だから僕は、銀杏の木の様に枯れて行きたい。
夏の日の小ぶりで青々とした葉が、次第に大きく育ち、やがて雄々しい緑の大葉に育つ。
寒気が増すに従って、それらは黄金色に変わり、眩しいほどに輝きを増して行く。だがその美しさは瞬きほどの間のもので、厳冬に向かう中で黄金の葉は一枚ずつ地上へと静かに降り立つ。そうしてヒラヒラと枯れ行くほどに、それらは地面に美しい黄金の絨毯を敷き詰めて行く。


枯れて死に行く運命なら、せめて死しても尚、美しい絨毯であれるように。


死を自分の物だと感じて、今を生きて行きたいと思う。


ワルサーP38

足元に絡みついているのは、緑色の長い蔓でしかない。
それを振り払った時に感じる痛みは、長く伸びた蔓が千切れてしまうことに対して、可哀そうに…、と思うくらいの極ちっぽけで取るに足りないものだ。


けれど、その時には感じなかった痛みがワルサーに膝を撃ち抜かれた時の様な痛みに変わって突然に表れる。


そういう事態が何の予告も無く唐突に訪れるのが人生だ。


引き千切った茎は、緑色の血を流しながらそこに静かに横たわっている。


再生の気配を漂わせてはいるが、それと同じくらいに強烈な死臭をも放っている。


そうして僕はP38の引き金を引いた。その引き金は冷たく全くもって無機質で、震える僕の指を翻弄し、蔑んでいた。だから僕は思い切り指に力を込めることができた。


ズドン!!


手ごたえは確かにあった。おそらくそこにはワイン色の赤い血が流れていたはずだ。


けれど引き金にかかった僕の指は、雪の様に真白で美しかった。
そうして街には決まりごとの様に冬が訪れる。





お口チャック。つまりさ、大人になれってこと。

言いたいことを言うだけ。自己愛豊富で権利主義的。自らの御高説を声高に語ることの出来る、ラウドボイサー達。
黙して語らない、上司に言われたことにYESしか言わない単純で従順なアイデンティティ皆無、他力本願、平和偏重主義者よりはマシなのか。


果たしてそうだろうか?


「こんなしんどい仕事はしたく無い。」


「労働に見合うだけの給料を貰えない仕事には価値が無い。」


「同じことしか言わないお年寄りには辟易する。」


「しんどいから人を増やしてくれ。」


なぁ、なぁ。


分かってるよ。あんたの言いたいこと。


確かに金が潤沢にある世界なら、それはそうすべきだよ。北の核に脅えて、訳の分からんJアラート鳴らしまくってパトリオットは迎撃可能性を度外視しているにも関わらず億単位で製造、アメリカはブロック主義的なプレジデントを擁して必要以上に喧嘩ごし。福祉に使う金なんて、なるべく少ない方が良いって世の風潮の中で。そんな都合のいい訳にゃぁ行かないの、普通、分かるだろ?


だけどなぁ、あんたの仕事っぷり。


正直に言うぜ。


追いついて無いよ。


批判しかしない、自分を変えようとしない。環境の悪化は、自分の責任じゃぁ無いって自己弁護する、自己愛護的精神の人々よ。


おいおい、それでいいんかい?


自分が変わらなきゃ、周りは変わんないよ。
それは世界も一緒だし、変えられっこないぜ。


まず自分が変われよ。全力出してみろよ。


批判だけなら誰だってできるさ。


人にその批判を受け入れさせるだけの、そういう存在になってみろよ。


俺は少なくとも、文句だけ言う人間にはなりたく無い。言えるだけの実力や魅力を冠してこそ、批判的な発言はできるんだって思っている。


今のお前さん。無いぜ、そんなもの。


だったら黙ってろよ。黙るか、自分磨くか、どっちかにしろよ。


実力も無いラウドボイサーは周囲に悪影響しか及ぼさない。


だから、言う。


明日から、お口チャック!!!!!