六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

2015年7月のブログ記事

  • 認知症について。

    もともと、僕が介護業界に足を踏み入れた頃には「認知症」は痴呆症と呼ばれていた。 それが、いつの間にか「認知症」と名前が変わって行った。 誰の、どういう意見があって、そうなったのかは良く分からない。 最初は違和感のある命名だと思っていたが、今ではすっきりと世間にも馴染んでいる。 しかし、今でもより深... 続きをみる

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  • 嘘つきになるのかも知れない。

    子供は「嘘をつく子は悪い子です」と大人から言われて育つ。 嘘をつく人に対して「嘘つきは泥棒の始まり!」と、決まり文句の様に言う。 けれど、いつしか大人になって「嘘も方便」であることを覚えて行く。 たぶん、嘘をついたことの無い人間なんて居ないのだろう。 介護の現場で、良く起こる出来事。 在宅で過ごさ... 続きをみる

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  • いつもの海。

    ここ10年ほど、毎年夏になると同じ海に向かう。 和歌山市の数10キロ南に位置する砂浜。 海に足を浸けてから100メートルくらいまでは肩までの深さの遠浅の海。 子供連れが安心して遊ぶことの出来る、穏やかな海。 しかし今年は何だか様子が違った。 波が例年に比べて異様に高い。 九州の西を進むと予想される... 続きをみる

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  • 生きている時代の空気。

    例えば封建制度の中で生きていたとすれば。 あるいは戦時下に生きていたならば。 そんな想像をすることが良くある。 現代に繋がる日本人の根本の部分の性質を形作ったのは、江戸時代の封建社会の中では無かったか? 例えばそれまでの社会においては、中国や韓国から文化を輸入し模倣することが多かった。 稲作、仏教... 続きをみる

  • 団塊の世代の不思議。

    僕の両親は、いわゆる団塊の世代の範疇に入る年代の人たちだ。 今日は、焼き肉を奢ってくれると言うので実家近くの焼き肉店に赴いた。 そもそもワーキングプアな僕にとっては、牛肉(吉野家を除く)自体が久しぶりで… 和牛のその柔らかな甘みに…舌鼓♡…。 あかん。食べ過ぎて、苦しい。でも、うまかった~♪ 戦後... 続きをみる

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  • DNAへの反抗。

    全ての生物には「種の保存」というDNAが備わっているという。 つまり、全ての人間は「人類」が滅ぶことなく反映するように生命を繋いでいく為のDNAを備えているという訳だ。 それは、親が子を慈しみ育てる姿を見れば良く理解できる。 しかしこのDNAには、もう一つの顔がある。 「種の保存」の為に社会的弱者... 続きをみる

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  • そこに山があるから山に登るわけでは無い。

    ここ数年、山登りを趣味としている。 この趣味は、昔馴染みの友人から近畿最高峰の伊吹山登山に誘われたことに端を発している。 それ以来、冬季以外は月に1回以上のペースで山に登るようになった。 どちらかというと体力に自信がある方では無い僕が、山に登り続ける理由。 とにかく、登っている時の自分が格好良く思... 続きをみる

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  • ナラティブケア

    僕が、ユニットケアでリーダーとして働き始めた頃。 「ナラティブ」という言葉に出会った。 言葉の意味は「物語のある」ということ。 これに「ケア」つまり「介護」という言葉を合わせたのが「ナラティブケア」 「物語のある介護」 それまでも、漠然とお年寄りの「生活歴に根差した介護」がしたいという思いはあった... 続きをみる

  • 「思い」を共有すること。

    一緒に働く同僚・仲間と思いを一つにする。 同じ方向を向く、思いのベクトルを合わせる。 チームで仕事をするうえで非常に大切なことだと思う。 しかし、チームで共に働く仲間達は、その立場も性格も思考もモチベーションも、それぞれにバラバラだ。 もっと言えば、人生観、死生観、介護観。そういう、根本的な部分も... 続きをみる

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  • 顧客満足度。

    介護技術や、介護の根拠。お年寄りの生活を支えるうえで不可欠な事柄。 それらは、これまで介護業界を担ってきた先人たちの教えに学ぶ所が多い。 だが、それだけでは本当の意味においてお年寄りやご家族に満足して頂くことは難しい。 つまり、それら「不可欠な先人の教え」に加えて、介護保険以降の介護業界を担う我々... 続きをみる

  • また仲間が辞めて行く。

    昨日の夜中にメールが届いた。 3年前まで同じ事業所で働いていた後輩からのメール。 随分長い間会っていなかったが、同法人の小規模デイへ異動となり3年余り、それなりにご機嫌に働いているものだと思っていた。 彼は、僕と同じように他業界で社会人を経験し介護業界に飛び込んできた人で、まぁ境遇が似ていることも... 続きをみる

  • 学習性無力感。

    学習性無力感という言葉がある。 これは「頑張ってやっても無駄であることを学ぶ」「頑張るだけ馬鹿らしいことを知る」という意味だ。 何とも悲しいことだが、介護の現場で多くの介護職が、こういう心理状況に陥る現状がある。 それは介護業界の離職率の高さにも繋がっているし、この先の超高齢社会に暗い影を落として... 続きをみる

  • 介護の世界の出世。

    サラリーマンで言うと、ヒラから入って課長とか部長とか、果ては社長とか会長とかって、まぁその会社の規模によって色々な役職がある。出世すると責任も大きくなるけれど、それに伴って給料も上がっていく。出世するとなんだか誇らしいし、嬉しい。 で、介護の世界の出世はどうか? まず、それぞれの専門とする職種のヒ... 続きをみる

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  • 社会保障なのかリニアモーターカーなのか。

    日本という国のお財布の中身は逼迫していると誰もが言う。 年間90兆円という国の財源の内、税収が50兆円強なので借金で賄っているのが30兆円強。毎年そんなことを繰り返して今では、1000兆円を超える借金があるそうな… だから福祉に回すお金なんてありません。と財布を管理する側は言い、税金も保険料も支払... 続きをみる

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  • 年をとることについて。

    老いるということは、どういうことか。 昔、お釈迦様は生老病死を四苦とし、生まれて老い、病んで、死ぬ。それらを苦しいことだと仰った。 人間は、病を得ることも、死ぬことも恐れる。できるだけ避けたがる。 生きることも、苦悩を伴うものだろう。 では、老いることは? 子供の頃、早く大人になりたいと常々思って... 続きをみる

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