六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

2015年9月のブログ記事

  • 素直になりたい。

    昔から、人に質問するのが苦手だった。 愚かな自尊心が、どうしても邪魔をするのだ。 物を知らない馬鹿だとは思われたくない。 「そんなことも知らないの?」と軽蔑されるのが怖かった。 大学時代の友人に、H君という人が居る。 何でもかんでも質問をする人で、正直に言うと「そんなん自分で調べぇな。」と冷たくあ... 続きをみる

    nice! 1
  • 定年?退職。

    今日。長らく共に働いたパートさんが最後の出勤日を迎えられた。いわゆる、定年退職。 7年近く一緒に働いてきたパートさんで、名残惜しくて、何だかすごく切ない。 週4回の午前中のパートさん、最初は派遣社員として僕の施設で働き始められた。 7年前と言えば、僕は30代前半。パートさんは50代前半。 まぁ、の... 続きをみる

  • ストレスと共に。

    ただ単に生きているというだけで、人間はストレスに晒されている。 家族や会社、あるいは社会という組織の中で生きている以上、それは当然のことだ。 ストレスに対する適応能力やキャパシティーには個人差があり、外的な刺激を受けて、それをストレスだと感じる人も居れば、何も感じない人も居る。 例えば上司と部下。... 続きをみる

  • 刹那的思考。

    資本主義経済の行き詰まり。 その一言で、この国の今の全てを語ることが出来るのではないかと思う。 資本主義経済の根幹を成すものは、自由競争だ。 つまり確実に勝者と敗者を分けるのが資本主義なわけで、これを追求すれば一握りの大金持ちと大多数の貧民とを生むことになる。 日本だけで見てもその格差は広がる一方... 続きをみる

  • いつまでも、居ない。

    先日。僕に「伊田」の名前を下さったお婆さんが亡くなった。 以前僕が働いていた従来型の特養で、もう20年近く暮らしてこられた方だ。 独自の世界に入り込むことが多く、入り込んじゃうと実在の世界から離れて「ヒトラー」や「聖徳太子」と交信を始める人で、横でそれを聞いていると、人間の持つ精神世界の珍妙さに震... 続きをみる

  • 庄内平野の旅。

    昔から歴史を訪ね歩くことが趣味で、社会人になってからもフラリと時々旅に出る。 先日、連休がとれたので、山形は庄内平野まで足を伸ばした。 夜行バスで往来し、ボロいレンタカーを借りて、激安のビジネスホテルを探す、若しくは車中泊もあり得る。 毎度のことで、とにかく安くつく方法で旅をする。慣れると苦も無く... 続きをみる

    nice! 1
  • 頼もしき後輩。

    最近、職場に入職する若者たちを見ていて思う。 なんだか頼りなげで、自立心が薄く、フロンティア精神に欠ける。   先輩の指示に対しては従順だが、それ以上でもそれ以下でもない。 自分の若い頃はこうでは無かった。 先輩の仕事ぶりから密かに学び、いずれ追い抜かしてやると闘志を燃やし。同期の誰にも負けはしな... 続きをみる

  • 1労働夜勤か2労働夜勤か。

    今日も夜勤だ。僕の務める小規模特養では1労働夜勤が取り入れられている。 1労働夜勤と言うのは8時間労働夜勤の事で、始業が22時、終業が翌朝7時という働き方の夜勤のことだ。 これに比して従来型の大規模施設においては2労働夜勤を取り入れている所が多い。 これは16時間労働夜勤のことで、夕方16時半に始... 続きをみる

  • 興亡。

    全ての物事には、興亡がある。 物事には始まりと終わりがあって、始まったところから成長していき、やがてピークを迎え、そこから亡びに向かって衰退していくという一連の流れ。それを「興亡」あるいは「盛衰」と呼ぶ。 琵琶法師の奏した「平家物語」にも、平家が朝廷内で栄達して行き、清盛において栄華を極めるが、清... 続きをみる

  • 事故防止限界説。

    高齢者施設において、転倒等の事故防止は至上命題であるかの如く語られる。 確かに、職員の移乗介助中に発生する事故については何としても防ぐ必要があるだろう。 例えばAさんにベッドから車いすへ移ってもらう。前から抱えて回転移動。 勢い余って、車いすのフットレストでAさんの足を強打してしまう。 例えばBさ... 続きをみる