六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

2015年6月のブログ記事

  • 今日も頑張って働いた。

    今日は早番。朝7時からの出勤。 朝食の提供、朝の排せつ介助から1日が始まる。 10名ワンユニットのフロアなので、まぁ従来型施設ほどにはバタバタしない。 一定その時間が過ぎれば、ティータイム。 音楽を聴きながらだったり、ゆっくり話しをしたりしながら。 時間があれば外気浴だったり、生け花だったり、仏壇... 続きをみる

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  • 介護を続ける心。

    もともと、僕は介護業界のことをあまり良く知らない人間だった。 老人ホームの存在は知っていたが、そこは現代の姥捨て山だと思っていたし、自分や自分の家族には全く関係の無いところだと感じていた。 そんな僕がこの業界に飛び込んで14年。 今振り返って見ても、よく辞めることなく続けてこられたものだと思う。 ... 続きをみる

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  • 2つの介護技術。

    介護を始めて14年。 本当に様々なお年寄りと出会い、そして別れた。 どうすれば、この人に美味しく食事をしてもらえるか? どうしたら、すっきりと排泄してもらえるか? 気持ち良くお風呂に入ってもらうためには何が必要か? そんな諸々。お年寄りの生活を支える細かな事柄に心を砕く日々だった。 そこで出た答え... 続きをみる

  • 介護労働者という主張。

    介護に携わる人々。 それらの人々が従事する仕事を、あたかも聖職であるかのように世間の人々は錯覚している。 自分を犠牲にして、お年寄りに奉仕する姿こそが正しいと信じられているのだろう。 でもそれは違う、少なくとも僕は違う。僕は介護職である前に介護労働者だ。 プロとしての仕事はするが、自分のプライベー... 続きをみる

  • 介護保険をめぐる、それぞれの立場と本音。

    介護保険て、いったい何? 介護保険に関して、多くの日本人は良くは分かっていない。 一般の人々の立場から見れば「お爺ちゃん、お婆ちゃんの介護を保険で賄うんでしょ?家には関係ないわ。」って感じだろう。 そして、例えば自分の父親や母親がいざ介護が必要になった時に突然に大慌てしなければならなくなる。 「え... 続きをみる

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  • 笑うから楽しい。

    「人は楽しいから笑うのでは無い。笑うから楽しいのだ。」 どこかで、そんな言葉を聞いた。 10年ほど前だった、まだ20代であった僕の心にその言葉は強く響いた。 この言葉の指す意味は笑顔でいれば、自分も周囲も楽しくなって人生が好転するということだろう。 「笑う門には福が来る」の同議。 僕はどちらかとい... 続きをみる

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  • 世の中の仕組みと人として生きることの意味。

    何のために自分は生まれてきたのだろう? 生きていれば楽しいことは沢山ある。 でも、楽しいのと同じくらいに苦しいこともある。 半々なら、よけいに考え込んでしまう。 生きている意味があるのだろうかと。 世の中の仕組みは、知能と文字を有する人間が決めていると、人間だけが錯覚している。 けれど、宇宙の歴史... 続きをみる

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  • 福祉の世界から、人材が居なくなるという笑えない事実。

    おそらく2010年ごろまでは、さほどその現実を重くは受け止めていなかった様に思う。 特に2000年の介護保険スタートからの10年は、多くの人材が介護業界に流入した。 厚労省の統計でも、2000年当時、約55万人程度であった介護労働者が2010年には133万人と倍以上の伸びを示している。 確かに、僕... 続きをみる

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  • 拝啓Dr様。

    世の中には色々なお医者様が居る。 幕末の蘭学医、緒方洪庵先生は「医は仁術である」と言われた。 そういう心を持つお医者様が、世に溢れれば本当に良いなと思う。 僕の施設では、数年前から近隣のN診療所から内科のDrを招き、週一回往診をしていただいている。 それまでは現役を引退された、学者肌のDrを直接雇... 続きをみる

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  • 道徳の授業。

    今日は僕の息子の参観日。 休みをとったので、今から小学校へと向かう。 一時間目は「道徳」の授業だそうな。 今の小学校では、どんなことを「道徳」で学ぶのだろう? 自分が小学校だった頃の道徳の時間…。何を学んだのか全く思い出せないが。 唯一、孔子の言葉だったかな? 「己の欲せざるところ、人に施すことな... 続きをみる

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  • ターミナルケア。施設で看取るということ。

    お年寄りが増えた社会。それは多死社会でもある。 これまで、日本人は病院で死を迎えることが主流だった。 だけど、多すぎる死を全て受け入れるほど病院のキャパシティーも豊富では無い。 つまり、病院以外で死を迎える人々が増えることは必然であるとも言える。 行政側からしても、そのような政策誘導を行っている。... 続きをみる

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  • 散歩♪

    今日は、「公園外出」という行事の日だった。 普段、外出する機会の少ない方を対象に近隣の公園へ。 そしてシャボン玉を吹いて、風にたなびく様を眺める。ただ単にそれだけの行事ではある。 それでも、その時間は、とても穏やかで日々の喧騒を忘れさせてくれるくらいの作用が充分にあった。 目を閉じたまま、表情の変... 続きをみる

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  • 高福祉、高負担。日本にはそういう土壌が無い。

    この国の目指すところは、どこなのだろう? 資本主義経済の行きつく先は、一握りの強者と大多数の弱者を二分する社会。 つまるところ、社会的弱者に対しては限りなく冷たい社会。 ということは…。 高福祉などは、だれも望まない。そういうことなのだろう。 老後も安心したければ、金を稼ぐしかない。そういうことな... 続きをみる

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