六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

「適当介護」のススメ

僕の、介護の歴史ばかりを綴っていても仕方が無いので今回は少し趣向を変えて「僕の介護の主張」を述べてみたいと思う。
この業界に入って、同僚やご家族、それから行政を見て。常に思うこと。
「固い」「真面目」「肩に力入り過ぎ~!」ほんでもって「深呼吸すれば?」



介護にまつわる不幸な出来事。介護殺人 虐待 老老介護 介護放棄…嫌なニュース。本当に良く目にしますよね。


そんなものを行政や介護保険は救ってはくれません。
世の中の意識を変えるのも一筋縄では行きません。
もちろん、あきらめたらあきませんよ!日本人みんなの問題ですから。
そこの発信は介護業界を担う人間の責務。そこは譲らないでね!



で、先ず。僕ら業界人に簡単にできることから始めませんか?ってお話です。


そう、介護に携わる人々よ、先ずは肩の力を抜いて下さい。ゆっくり息を吸って下さい。



みんな神様か仏様みたいに、悲しいぐらい自己奉仕しすぎです。
特に介護労働者に告ぐ。もっと楽にやりなはれ。ほんま残業なんて…ほんまに必要な時だけにしなはれや!何の得もありませんよってに。



必死で食事介助すんなって!
見てみ。お婆ちゃん、のど詰めそうやん。しんどい言うてはるやん。そんだけカロリー必要か?
ぼちぼちでええがな。この年まで頑張ってきはってんで~。



必死で転倒事故、防がんでええて!
センサーつけるか?ベッド柵で囲うか?それとも薬飲ませてドリドリにしてまうか?
動きたいねん、放っといてほしいねん。あんたの私見る目、怖いえ~!
安全に、こけてもろたらええんですわ。管理的になり過ぎるほど、お互いにしんどくなるんです。



看取り、ターミナルケア。必死こいたらあかん。普段通りが一番やて!
もうすぐ息止まりますわ。思い出いっぱいありますわ。泣きたくもなりますわ。
でもね、長いこと生きてきはってん。あんたより何倍も生きてはるねん。人間、生まれたら絶対死ぬねん。
だから必死こかんでええ。とにかくいつもやってること丁寧にやろう。家族ともいっぱい話しよ。
いっぱい、いっぱい、精一杯、生きてきはったんや。
ありがとう。大好きやったで。よう頑張ってくれはった、お疲れ様。そう言うて、笑ってお別れするんが一番ですわ。



泣くのは後でええねん。


すいません。感情が留められず、自の関西弁で、まくしたてました。


とにかく僕は、そういう心持でたくさんの別れを経験して強くなれました。


「適当介護」
適当というと、いい加減なってイメージがありますね。
でも、違いますよ。
身の丈にあった、自分の心の全てで感じることのできる、そういう意味で僕は使ってます。



さぁ、今日も前に進みましょう。


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