六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

今も、1秒過ぎれば過去だね。

大昔、仲間内でバンドをやっていたころ「春夏秋冬」という歌を皆で作った。
僕は詩を作る専門で、確かこんなワンフレーズを書いた記憶がある。


「春夏秋冬 めぐる季節は留まることさえも知らない。
      明日は すぐ傍に 今も一秒過ぎれば過去だね。」


大学生だった僕は、何を思ってそんな詩を書いたのだろう?


先日、お年寄りが、1人他界された。飲むことも食べることも出来なくなって一週間。
苦しそうな時は確かにあったけれど。
灯が、消えるようにフッと、穏やかな最期だった。


悲しむ間もなく、実感する暇さえも無く、今日、新しいお年寄りが入所される。


昨日、僕は夜勤だった。
亡くなった方のお部屋を見に行くと、新しく入所される方の為の準備が整っていた。
分かっていたことではあるが、なんとなく悲しくて、昔作った朧げな詩が、頭の中をゆっくりと流れた。


今も一秒過ぎれば過去だね。


そう、時は人の死も生も、止まることなく押し流して行くのだ。
今を一所懸命に生きて、前を向きながら未来への扉を開いていくしかない。
過去は、決して戻らないのだから。

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