六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

癌が再び。

今日、久しぶりに電話で親父と話をした。
昔から、親父は苦手だ。
僕は3人兄妹の真ん中で、何かと兄貴を贔屓し妹を可愛がる親父の事がずっと好きになれずに育った。
子供の頃の記憶を辿ってみても、とにかく怒鳴られたり殴られたりした記憶ばかりが蘇る。


そんな親父がまた、癌になった。
もともと10年ほど前に胃癌を患い、胃を半分切除、その後は順調に回復し再発も無く過ごした。
今度は新しく肝臓が癌に侵されたようだ。肝臓のあちこちに大小の腫瘍が出来ているらしく、今度は切除して何とかなるものでは無いらしい。週明けから抗がん剤治療に入るとのことだった。


親父…抗がん剤治療に耐えれるかなぁ…それに付き合うオカンが心配だなぁ…


色々なお年寄りに関わる仕事をしている僕には、癌の積極的治療を肯定的には捉えられない気持ちが実は心の隅に、あったりする。それでも、親父が生きたいと願うならば全力で応援をするしかない。


人間の寿命は延びに延びた。癌は神様からの授かりもの、死を受け入れることも一つの選択なのだと僕が思うに至ったのは、沢山のお年寄りの死に関わってきたからなのだろう。
織田信長だって49歳、坂本龍馬も33歳、高杉晋作なんて29歳でこの世を去った。歴史上の偉人たちのことを思うと、今の人間は生き過ぎだという思想がどうしても芽生えてしまう。


しかしまぁ、そこは難しい問題だ。現代医学が目の前に存在している。親父が、それを望む以上、支えるしかない。オカンも何とか、助けてやらなくちゃ。


親が年老いるということを、改めて考えさせられました。

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