六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

この世界にある、様々な別離。

出会いがあれば、その延長線上には別れが必ずある。


いつまでも一緒に居ることは決して出来ないし、新しい出会いの中で別離の悲しみも風化していく。


多くの人と、これまで出会い、その分だけ多くの別れを僕は経験してきた。


それは決して不幸なことでは無く、人間の脳に備わった忘却と言う装置にも助けられ、僕は新たに前を向いて歩きだすことが常に出来た。


お墓の前や仏壇の前で、爺ちゃんや婆ちゃんのことを思い出しはするけれど、お骨拾いをした、あの時のような悲しみや寂しさに襲われることが無いのは、死と言う別離を受け入れることが出来たからなのだろう。別離が過去の中に、歴史として落ち着いたからなのだろう。


人は出会い、別れて行く。これから先も、この世界に沢山の別離が生まれ続ける。


だからこそ、一つ一つの出会いを大切に生きて行こう。
この世界にある、様々な別離を、必要以上に恐れることなく、前向きに、ひたむきに。

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