六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

興亡。

全ての物事には、興亡がある。
物事には始まりと終わりがあって、始まったところから成長していき、やがてピークを迎え、そこから亡びに向かって衰退していくという一連の流れ。それを「興亡」あるいは「盛衰」と呼ぶ。


琵琶法師の奏した「平家物語」にも、平家が朝廷内で栄達して行き、清盛において栄華を極めるが、清盛の死から平家一門の転落が始まり、やがて壇ノ浦で亡びる様が描かれている。
徳川幕府においても、家康から家光までの三代で身分制度の確立や参勤交代の制が整い、江戸文化の爛熟期へと突き進む。しかし貨幣経済の発達から封建制度そのものの崩壊を招き、黒船の外圧を契機に亡びへの歩みを加速させるという経過を辿った。


何が言いたいのか…。


自分の属する組織の事だ。


今、僕の働く法人が、衰退期に差し掛かっているという、滅びの道を歩んでいるという不安感が、時々僕の脳裏を霞める。


優秀な人材が辞めて行き、現場のケアの質は低下し、職員は疲弊し、それなのに有効な手を打つことも出来ない…。


今日、久しぶりに長年の盟友である看護師と昼食を共にした。今年度から異動で別の事業所で働くことになり、今は別々の現場で互いに奮闘しているわけだが…
彼女も、やはり疲弊していた。今、彼女は大型の老人保健施設で働いているが、そこに広がるのは劣悪なケア環境、怠惰な看護師の働きぶり、それに対して物言うことも出来ない上司達。ほとほと愛想がつきたと語っていた。


「とにかくもう一度、一緒に働こう。そしてケアの質を取り戻して行こう」と返してはみたが。
彼女が辞めるような事態になれば、僕自身も滅びゆく法人から離れざるを得ないだろうと真剣に考えた。


歴史の盛衰の中で、人々はそれぞれの立ち位置で、それぞれのドラマを演じてきた。
僕は、これからどんなドラマを演じるのだろう。
ただ言えるのは、ブレずに前を見て歩いて行こうということだけだ。
自分を信じて、仲間を信じて。明日からも頑張ります。







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