六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

また仲間が辞めて行く。

昨日の夜中にメールが届いた。
3年前まで同じ事業所で働いていた後輩からのメール。
随分長い間会っていなかったが、同法人の小規模デイへ異動となり3年余り、それなりにご機嫌に働いているものだと思っていた。


彼は、僕と同じように他業界で社会人を経験し介護業界に飛び込んできた人で、まぁ境遇が似ていることもあって、それなりに手塩にかけて育ててきたつもりである。彼も、そういう僕に一生懸命ついてこようと努力をしてくれていた。男の少ない現場であるだけに、気心知れて話すことの出来る存在でもあった。


ちょうどデイに異動になってすぐぐらいだった。「六鹿さん…俺、この仕事向いて無いっす。続けられないっす。」と相談を持ち掛けてきたので「よし、焼き鳥食べながら話そう」と近場の焼き鳥屋へ。
塩派とタレ派で対立しながら、焼き鳥を頬張り、長々と話をした。
彼の主張の概要はこうだ。
「ここで働き続けたとして、数十年後の自分が想像できない」=未来に希望が持てない。
「六鹿さんみたいに熱くなれない」=介護の仕事に情熱が持てない。
「給料が安くて家族に申し訳ない」=給料が不満。


それに対して、僕はこう切り返した。
「確かに仕事の内容に対して給料は少ないと思う。でも、今は日本全体が金持ちと貧乏人の2極化が進んでいて、ワーキングプアに陥るのは介護職だけじゃ無い。他の業界に移っても、給料に対する満足が得られるとは限らない。得られたもので一定満足することも必要だし、他方で賃上げに向けて働きかけていくことも大事やで。それに君の目指す将来像ってハッキリしてないやん?そこが曖昧なまま不安を感じるのは、単純なネガティブ思考。自分の思考をポジティブに変えることが出来れば不安も少しは解消されるんちゃう?情熱が持てないのも一緒。周囲の環境のせいにせず、自分が変わる努力をするべきやろ?情熱を持てる自分に変わっていく努力をしてみなはれ。」


彼はその後3年近く、退職することなく仕事を続けてくれた。


しかし、昨日彼は「退職届を出しました。お世話になりました。」と全てはっきりと結論を出したうえで僕に連絡をしてきたのだ。


辛いが、この状態での説得が難しいことは良く分かっている。


とりあえず。また話をしよう。
僕自身が前を向くためにも、彼と話す機会を近々、持ちたいと思う。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。