六鹿宿

介護保険発足直後から介護の世界で働いている僕が見たり聞いたり感じたことを綴っています。

鈍感力から生まれるハッピーサイクル。

僕の後輩に鈍感力の優れた人が居る。


まず「イライラすること」が無いらしい。怒っている姿も見たことが無いし、そんな姿は想像もできない。せっかちで短気な僕にとって、それは本当の意味において奇跡だ。


人の好悪も無い。この人は違うな、この人とは相容れないなと思っても、その相容れない部分も含めて、まるっとその人の全体像を受け入れてしまうそうだ。人は十人十色であり、その個々を対比して良し悪しを決めたりすることをしない。それぞれの個性をそのまま、まるっと受け入れる。まるで禅坊主のような人だ。これぞ鈍感力の真骨頂。


鈍感力って言ってしまうと、あまり良い意味には捉えにくいかも知れない。
けれど、それはあるがままの自己や周囲の人間を受け入れながら生きることで、それらの状況に鋭敏に反応し過ぎて心を惑わせたり病ませたりする妄想を振り払う為の非常に優れた能力だと僕は思っている。


その人は言う。「ハッピーサイクルですよ。」「自分がハッピーでなくちゃ周囲の人もハッピーには出来ないでしょ?」「大変な状況の中でも、ハッピーになる、ハッピーな自分に立ち返れる趣味や何かを持ってれば良いんですよ。しんどい時でも、そんな自分を思い出せばハッピーな気分に戻れますよ。」


すごい。こんなこと言える奴は、そんなには居ない。


羨ましくて、そういう能力を僕も欲しいとは思う。
けれど、それを羨ましがっている時点で、妬みが生まれる。僕はもうその時点で、その人を超えられない。というよりも、超えたいと思う時点で、勝ち負けの話になってしまう。
十人十色の人間。諸行無常の世界。どこまでも思う通りには行かない人生。
その中で、人のお蔭さまを感じながら、幸せを噛みしめて生きる。
出来るところから、ゆっくりと始めよう。


そして僕は、そんな風に感じさせてくれる後輩の存在を本当に有難いと思う。
有難い。有る事が難しいと言う意味だ。


居てくれて有難う。ほんまに感謝だな。

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